●カスタムfatalシステムモジュールの追加(任天堂のfatalモジュールの再実装)
・Atmosphereのfatalエラーレポートは作成しないように
・レジスタとバックトレースを示すカスタムエラースクリーンを表示するように
・全てのクラッシュに対してデバッグ情報の収集を試みるように
・creportによってクラッシュレポートが作成されなかった場合に、microSDカードにレポートを保存するように
●フォルダ内が散らからないようにするためにタイトルフラグの処理を変更
・ "atmosphere/titles/
(前者もまだ使用可能ですが、将来のサポートは保証されません。)
・フラグを "atmosphere/flags/hbl_%s.flag" に配置する事でHBLにフラグを立てられるように
●mitm APIに変更を加え呼び出し側のセマンティクスを向上
●smhaxを使用しないように(もはや不要で、かつ重要な機能に支障が出るため)
●ユーザーランドのHomebrewからのNANDの基本的な保護機能を実装
・BOOT0にて、BCT公開鍵とkeyblob領域の書込み保護を追加
(ns sysmoduleからは、BCT公開鍵への書き込みが出来ないように)
(↑これによって通常のFWの更新でAutoRCMが解除されなくなる)
(keyblob領域への書き込みが許可されているプロセスは無し)
・デフォで、BOOT0以外のBISパーティションはリードオンリーで、CAL0は読み書きどちらも出来ないように
(bis_writeフラグを追加した際にBISに書き込むことが可能)
(cal_readフラグを追加した際にCAL0を読み込むことが可能)
・起動時にCAL0が自動でバックアップされるように
(fs.mitmにこのバックアップへのハンドルがあるため、ユーザーランドのソフトウェアはこれを読み込めない)
●新しいFWでHDCPタイトルがクラッシュするバグの修正
●FW6.2.0をサポート
・デフォで、必要な鍵は自動的に導出されるように
・鍵を "atmosphere/prod.keys" 或いは "atmosphere/dev.keys" からロードする事も可
●安定性の向上
が変更点です。
NANDの保護は、レッツゴーピカブイ発売前辺りから出回り始めた「実行するとSwitchをブリックさせてしまうnro」や
「それを含んだnsp」への対抗機能だと思われます。今現在出回っているそういった物は仮に実行したとしてもhekateや
SX OSのペイロードからNANDをリストアしてやれば復旧可能ですが、まあそれでも保護が実装されたのは朗報でしょう。
ただ、SciresM氏はこの保護は基本的なものとされており、悪意のあるHomebrewなら保護を破る事も可能だとされています。
そのため「信頼できるソースから得たHomebrewのみを実行するように」と警告されています。
上記の保護機能は、通常のFWの更新によって解除されてしまうAutoRCMの保護にもなるようです。
AutoRCMはBOOT0のBCT公開鍵を改竄する事で成り立っていますが、通常のFWの更新ではBOOT0が更新されてしまうため
改竄された鍵が元通りになり、結果としてAutoRCMが解除されるという自体が発生します。もちろんCFWユーザーであれば
ChoiDujourNXを使用する方が多いとは思いますが、通常のFWの更新でAutoRCMが解除されなくなった事は朗報でしょう。
fatalシステムモジュールによるカスタムエラースクリーンはこれです。
https://twitter.com/SciresM/status/1062558488881180672
通常(OFW)は以下のような画面になりますが、Atmosphereでは↑になります。
https://i.ytimg.com/vi/DXWUj8SrIUM/maxresdefault.jpg
FW6.2.0での鍵の派生,導出に対応したため、FW6.2.0でもAtmosphereが起動出来るようになりました。
ブートローダーであるhekateや、他のCFWであるReiNXやSX OSもこれに追随すると予想されます。
「なぜ鍵の導出をサポートしたんだ、対策されるだろ」と思う方もいるでしょうが、これはシーンやSciresM氏の意向です。
Switchシーンでは任天堂によるコードやSwitchで使用される鍵を公開するのは著作権侵害だと考える開発者が多く存在し、
実際、数日前のこのツイートの時も、SciresM氏はDiscordにて「鍵を配布する事が出来ない」という発言をされていました。
https://twitter.com/SciresM/status/1066944636793409537
任天堂が今後のFWでも6.2.0のような対応を取ってくるというのは想像に難くありませんが、シーンの開発者の多くは鍵を
公開する事を拒んでおり、しかしながらそうなると我々エンドユーザーは鍵を自分で用意しなければならず、そうなると
その手法を公開するよりもAtmosphere自体が鍵の導出をサポートするようにする方がユーザー的には便利です。
私の認識が間違っていない限り、それがSciresM氏やAtmosphereの開発に携わる方々の考えです。
つまり、任天堂が対策してくる可能性は高いと言えます。新たなFWがリリースされた際には警戒してください。
6.2.0でのESパッチやFSパッチに関しては、6.1.0向けの物がそのまま使用可能なようです。
https://ws.gbatemp.net/threads/i-heard-that-you-guys-need-some-sweet-patches-for-atmosphere.521164/