オールインワンパッケージ Kosmos v14.1 をリリースしていました。
▽14.0.1
- FW9.0.0のFSパッチ(nosigchk)を追加
- Atmosphereを更新
(0.9.4リリース直後のビルドから3時間後の修正ビルドに更新) - Kosmos Updaterを再コンパイル
- KosmosからFSパッチを削除
(patches.iniを追加し、各値は0に) - sys-ftpdを更新(FW9.0.0をサポート)
- nxdumptoolを追加
- Lockpick_RCMをv1.4.0に更新
KosmosからFSパッチが削除されたので、ここでFSパッチとついでにESパッチのおさらいを軽く…
FSはSwitchのカーネル内にあるシステムモジュールの1つで、Atmosphereのコンポーネントの1つStratosphereは
カーネルのシステムモジュールをそれぞれkipという形式で扱います。Atmosphereのブートローダーであるfusee、
そしてその代替のブートローダーであるhekateはkipへのパッチをサポートしています。つまりFSパッチはkipへの
パッチで、その効果はNCAの署名チェックのバイパスです。主に、HomebrewのフォワーダNSPを使用する場合、
そしてXCIをNSPに変換した場合に役立ちます。
fuseeでは、kipへのパッチとしてipsパッチが利用されます。(kipへのipsパッチに関してはfuseeの管轄)
hekateでは、patches_template.iniかpatches.iniにkipへのパッチを書くことでCFW起動時にパッチが適用されます。
hekateはテンプレートとしてFSパッチを記述したpatches_template.iniを同梱しており、patches.iniがある場合には
patches_template.iniは読み込まれずpatches.iniが読み込まれます。
ESもSwitchのシステムモジュールの1つです。こちらはカーネルには含まれていません。
AtmosphereのStratosphereはSwitchのカーネル内にあるシステムモジュールloaderを置き換え、nso(実行ファイル)
へのパッチを可能にしています。パッチはipsパッチです。このパッチはloaderの管轄であるため、ブートローダーが
適用するパッチとは違い、fuseeでもhekateでも、Atmosphereを起動すると適用されます。
ESパッチの効果はDL版ゲーム/DLCのチケットの署名チェックのバイパスで、そのNSPを扱う際に役立ちます。
(DL版ゲーム/DLCのNSP内のチケットはテンプレとして用意されたチケットにtitlekeyを入れただけであるため)
FSパッチとESパッチは、The-4n氏がGBAtempで、Joonie氏がGitHubでリリースしています。
https://gbatemp.net/threads/i-heard-that-you-guys-need-some-sweet-patches-for-atmosphere.521164/
https://github.com/Joonie86/hekate/releases
The-4n氏のFSパッチ(ips)はfusee用で、Joonie氏のFSパッチ(patches.ini)はhekate用です。
両名のFSパッチはhekateが同梱しているパッチの内容に加え、ACIDパッチも含まれます。
ACIDパッチはFSパッチの一種で、効果はexefsのヘッダーのacidと呼ばれる部分の署名のバイパスです。
(XCIをNSPに変換せずに直接インストールするHomebrewを使用する際に必要になる事がある)
両名のESパッチは全く同じ物です。
Kosmosはv14.0.1まで、hekateに同梱されているpatches_template.iniをそのまま利用してきました。
しかしJoonie氏が公開しているpatches.iniを利用している方がそれを更新せずに、つまり9.0.0用FSパッチが存在
しない状態でKosmosを更新して9.0.0を起動しようとした事で、nosigchkのエラーが出る報告が出てきました。
(hekateのブートエントリに kip1patch=nosigchk がある場合、パッチが見つからなければエラーが出る)
で、v14.1ではpatches_template.iniではなくpatches.iniを入れる事になり、パッチの各値は0になりました。
そうすればエラーは無くなり、パッチの値は0なのでFWへの影響もありません。
今後、Kosmosを利用する方でFSパッチが必要な場合はESパッチと同じく自分で配置してください。